小麦粉とひと口に言っても、
「全粒粉と薄力粉の違いは?」と聞かれると、
説明するのはなかなか難しいかもしれません。
そこでイメージしやすいように、
お米を例にしてみます。
精米する前のお米は、
小麦でいえば全粒粉にあたります。
そこから精米して白米になるように、
小麦も白く挽いて精白粉になります。
小麦を挽く過程で外皮など、
食物繊維をどのくらい残すかで
三分づき・五分づきと味や栄養が
変わるように、
白く仕上げた小麦粉でも栄養分を
どのくらい残しているかによって
用途や食感が変わってくるのです。

日本の小麦粉は二つの基準で分けられています。
強力粉(多い)〜中力粉〜薄力粉(少ない)
小麦粉に含まれるたんぱく質はおよそ10%前後にすぎませんが、そのわずかな差が生地のふくらみや食感を大きく左右します。
強力粉はパンに、中力粉は麺に、薄力粉はお菓子に──用途ごとにきっちり対応しているのが特徴です。
小麦の外皮に多く含まれる成分で、どのくらい残っているかで等級が決まり、色合いや香ばしさにも影響します。
こうした分類が発達した背景には、日本の食文化があります。
パン、麺、お菓子と、求められる食感や仕上がりがそれぞれ異なるため、小麦粉も用途に合わせて細かく分けられてきたのです。
日本ではたんぱく質と灰分を基準にしていますが、世界の小麦粉の区分は必ずしも日本と同じではありません。
主食や食文化の違いに合わせて、それぞれ独自の基準が生まれています。
基準:使い道による分類
アメリカでは多くの家庭にオーブンがあり、パンやケーキ、クッキーを日常的に焼く文化があります。
そこで「これ一袋で大体OK」という万能粉が広く流通するようになりました。
失敗しにくく、家庭でのベイクに一番使われる便利な粉です。
基準:灰分(ミネラル分)
小麦粉の袋には「Type(タイプ)+数字」が書かれています。たとえば Type45、Type55、Type80。
数字が小さいほど白い粉で、数字が大きいほどミネラル分が多く残り、色や風味も強くなる仕組みです。
ドイツやイタリアでも同じように「Type+数字」で管理され、パンが主食の文化の中で「粉の白さや風味を数値でコントロールする」考え方が根付いています。
基準:精白か全粒か、挽き方の粗さ
各国で呼び方は少しずつ違いますが、大まかには「精白粉」か「全粒粉」かの区別です。
粥や全粒パンを日常的に食べる文化があるため、「全粒かどうか」が最も重要な区別として定着しました。

同じ「小麦粉」でも、国によって見方がまったく違うことが分かります。
次回は、この中でも注目度の高い「全粒粉」に焦点を当て、その魅力をもう少し深く掘り下げていきます。
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